【第55号】柳田英明−攻めまくった“アニマル二世”

(72年ミュンヘン・レスリング・フリースタイル57キロ級)

★レスリング漬けの日々実る

柳田英明 アニマル二世。五輪の舞台で、懐かしいニックネームが紙面に躍った。

 アニマルとは、東京五輪・フェザー級(63キロ)で圧倒的な強さをみせた渡辺長武につけられた異名。25歳の柳田も渡辺をほうふつさせる圧倒的な強さで、初の金を獲得した。

 五輪前年、前々年と世界選手権を制覇。柳田の敵は金確実と言われるプレッシャーだけだった。順調に勝ち進み、4回戦で、最大のライバル・サンダース(米国)と対戦。パワーで勝る相手に対し、柳田はスピードで圧倒し、判定勝ち。7戦7勝としたところで、決勝リーグを待たずして優勝決定。旧バンタム級時代に、東京・メキシコと連覇した上武洋次郎に続き日本の3連覇を達成した。

 鋭い眼光で攻めまくるレスリングが身上。秋田商時代から大器と期待され、明大を経て、五輪前の10か月間は、東京・大久保のスポーツ会館に泊まり込み、レスリング漬けでミュンヘンにかけてきた無敵の男は、表彰台の中央で、初めて大粒の涙をこぼした。


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