【第44号】金子正明−フェザー級の伝統守った遅咲きの大器

(68年メキシコ・レスリング・フリースタイル・フェザー級=63キロ以下)

金子正明★3年間世界で負けなしの実力発揮

 笹原正三(メルボルン)、渡辺長武(東京)と続くフェザー級の伝統を守ったのは、28歳、遅咲きの大器、金子だった。

 日本軽量級金3戦士の最後に登場。5回戦までフォール勝ち3、優勢の判定勝ち2の圧倒的強さで決勝リーグに進むと、6回戦は、エニオ・トドロフ(ブルガリア)と引き分けたものの、7回戦は、アバシ(イラン)を圧倒して金を獲得した。

 66、67年と世界選手権を連覇。この五輪で3年間世界で負けなしの実力者だったが、秒殺を得意とした渡辺の後継者だったがために、心ない批判にさられた。相手の攻撃を見て、カウンターを狙う「後の先」のスタイルに、「あれでは審判の受けが悪い」の声がたえなかった。金子本人も気にして、積極攻撃を課題に掲げたが、見事それが実っての戴冠に、表彰台では涙がとめどなくほおを流れ落ちた。

 1メートル71とこのクラスでは長身。足利工入学時はバスケットボール選手だったが、偶然出場したクラス対抗のレスリング試合で優勝したのが転向のきっかけ。生来のまじめさでいちずに続けた努力が花開いた。

写真:1968年メキシコ大会、レスリング・フリースタイル・フェザー級で優勝し金メダルを見せる金子正明


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